世界ランキングも60位台になり、当初の目的が
見えてきた錦織圭選手。
その錦織圭選手を支えるのがプロジェクト45です。
プロテニスプレーヤーとして成功する為には
大きく強力なサポートシステムが必要です。
そのサポートシステムとしての
プロジェクト45を紹介しましょう。
プロジェクト45の名前の由来は
日本選手のプロテニスプレイヤーとして
過去最高位の46位にあった
松岡修造選手の記録を抜くという意味が
あります。
そのシステムをビジネスとして提供しているのが
IMG/ボロテリー・テニス・アカデミーです。
この詳しい説明はNHKの特番でも
取り上げられたりしていますので
御存知の方も多いと思いますが
まだ語られていない点が、詳細を調べ直して
いくと徐々に判明してきたのです。
その語られていない点とは、
傷つき易い10代の日本人選手を如何に
育てるかという事に心血を注ぎ
アメリカという地において
実に日本的なというか
日本人に特化したシステムを
作り上げたという点にあります。
それはコーチの人選に顕著に表れます。
世界のテニスに造詣の深い日本人コーチと
日本の事情に詳しい外人コーチ
世界のトッププロに影響を与える事のできる
ツアーディレクターとしてのコーチという
ネットで言うなればメディアミックス的な
手法が見られたという事です。
また何より13歳の生身の少年の人生を
より良く導く事を主眼にした育成が
功を奏したのです。
ジェニファー・カプリアティのように
幼少から成功すると
大きな目標に達する前にバーニングアウト
してしまう選手をIMGは何人も
見てきたに違いありません。
錦織圭選手の活躍で、日本のコーチは
何をしてきたんだという論調が多くみられますが
実は、IMGのシステムにおいて
重要な役割を占めてきたのは日本人コーチ
だったという点です。
2003年にフロリダにやってきてから
2005年までの基礎形成の時期に
錦織圭選手は米沢徹氏に師事しています。
米沢徹氏はアメリカのキャンプの良し悪しを
熟知しており、アメリカのみならず
フランス、スペインのテニスキャンプにて
それぞれ数年滞在し、世界のテニス教育を
俯瞰的に眺める事ができる頭脳を持っていました。
指導は日本的。
ヒッティングパートナーは同世代でも
世界レベルとなれば、良い結果が生まれない
訳はありません。
また、コンディショニングコーチとして
中村豊氏と技術と体、両方をケアするコーチが
日本人だったのは、言葉の壁を感ずる事無く
現地に溶け込めたという点できめ細かいIMGの
配慮だったと言えるでしょう。
続きを読むの中では
プロジェクト45のスタッフ紹介を
していきますのでお楽しみに!
☆プロジェクト45
<ヘッドコーチ>
ゲイブリエル・ハラミロ
<ストロークコーチ>
ニック・ボロテリー
<父親>
錦織清志
<エリートコーチ>
レッド・エイム
<トラべリング・コーチ>
グレン・ワイナー
<コンディショニング>
中村豊
<メンタルコンディショニング>
アングス・マグフォード
<フィジカルセラピー>
ケビン・マードック
<ヨガ>
シビル・エイム
<メディア・トレーニング>
スティーブ・シェンバウム
<オフコートアドバイザー>
中島聡顕
<IMGUSA>
オリバー・フォン・リンドリック
ベン・クランデル
<IMGJAPAN>
坂井秀行
また、ここには出ていませんが
ATP281位台から100位台になるまで
指導してくれたロドリゴ・ヘルナンデスは
元日本デヴィスカップチームコーチだった事を
付け加えます。
ヘッドコーチのハラミロは
毎週月曜日に、父親の錦織清志氏に
電話連絡して、結果と方針を報告相談する事を
怠っていません。
権威主義にならず、本人育成を第一に考える
組織がある事は本当に幸せです。
このテーマは内容が大きすぎた為
各コーチに細かく言及できませんでした。
次回以降、13歳まで錦織選手を指導した
柏井正樹コーチなど、松江での環境にも
言及していきたいと思います。

